「人生、塞翁が馬」といいますが、本当にそうで、なんか軌道に乗ったと思ったら足元をすくわれることもあり、嫌なことが続いてお先真っ暗なように見えて、急に目の前が明るくひらけることもある。
そんなことを考える一週間だったからか、社長の全社員メール、キュレーションメディア、本・・・、やけにそういう情報が目に飛び込んできて、チカチカしてる。
■「正しい独裁者」が演じる羊飼い
NewsPicksで「サラリーマン社長」は滅び、「新・経営者」の時代が到来という記事が掲載されていた。その一節を紹介する。
従業員との一体感をかもす家族的経営のもと、ボトムアップの組織運営で成功してきたが、(中略)「非連続性の時代は、トップの意思決定スピードが勝負を分ける」と指摘する
その上で、
「合議を待っていたのでは手遅れになる。現在は独裁者の時代であり、実際、アメリカ社会は常に『正しい独裁者』を探す旅をしている」
と。
昔は自分が自分がで、自分より優秀な人とは一線を画してでも自分のメンツとかプライドにこだわってきたけど、今になってやっとわかったというか、一人でできることなんて限界があって、それに固執することがどれだけ意味が無く、意味が無いどころかチームにとって悪影響であるということを自覚するようになった。管理職になったからこそ、自分の停滞が組織の停滞に直結していることに気づいたということもある。だからこそ、自分よりも優秀な人にお任せすることが如何に大切かも学んだ。ほんと、今更なんだけどね。
そして、まさにこの記事の通り、「一体感」というきれいごとで、みんなの意志と納得度を尊重して、まさにボトムアップの組織運営をやってきたつもりなんだけど、それの難しさに直面しつつある、俺。奇しくもそんなときだからこそ出会う「正しい独裁者」という言葉。
この言葉、調べてみると2012年くらいに使われ始めてるみたいで、代名詞は今は亡き「スティーブ・ジョブズ」といえば、わかりやすいかもしれない。目的のためなら手段も選ばない極悪非道な人物像としても語られ、片や世の中にそして生活にイノベーションを起こし続けた今世紀最重要人物の一人。
この言葉は初耳だったけど、実は考えようによっては以前にも触れていたようにも思えて。
それはワークショップなどの「ファシリテーター」と「ジェネレーター」。
前者はいわば一体感を重視したボトムアップ的なアプローチで、後者は合議を待つよりも、自ら強引に促していくことも持さないトップダウン的なアプローチと換言できるのかなと思いました。
まぁ、そんなこんなで気になったのが少し前の本で「マスタースイッチ」というもの。
気になってポチっとしてしまいました。
一見、優秀な人を・・・という話と、この「独裁者」の話は矛盾してるように思えるかもしれないけど、これがいわゆる「羊飼い型リーダーシップ」というやつなのかもしれません。
まだまだ新人管理職の俺には荷が重いし、あわよくば誰かマネージャー代わってくんねーかなって、思ってますが(笑)、まぁ、そんな素敵な候補が現れるまでは、もしくは心折れるまでは、もがいてみようと思ってます。
■ロジカルシンキングを疑え
それと、もうひとつ。
この本もまた、ちょっと前の本なんだけど、今だからなのかな、読みたくなりました。「未来に先回りする思考法」、これもポチ。
最近の「電通報」で、この不確実な時代の戦い方についてのヒントを探っていくための参考図書として、この本が紹介されていました。記事の中で興味深いのは、パターンを読み、世の中を、点ではなく線で捉えるために重要なポイントとして、「ロジカルシンキングを疑う」ということについて、本書では示唆されているらしく、その一節を紹介すると、
構築できる「ロジック」は、その人がかき集められる情報の範囲に依存するという危うさをはらんでいます。さらにロジカルかどうかの判断は、その母集団の「リテラシー」に依存します。(P.220)
これ、意外と盲点。というか、ぐうの音も出ない。。。ロジカルシンキングの必要性を子どもに説きながら、それが見えていないことに急に恥ずかしさが芽生えました。
同時に、ロジカルに伝えてほしいとスタッフみんなにお願いしてるけど、そこには、論理的どころか、保守的もしくは非常に主観的で、客観性に乏しいアイデアや意見が多いと感じていたある種の違和感が、この一文で晴れた気分でした。どうしてもチーム内のリテラシーが統一されておらず、意思決定までのプロセスがスムーズに進まないといった事象が生じていると思ったけど、これもその原因のひとつかと。自分も含め反省。
その上で、本書が示唆しているという【感覚と原理の「5分5分」のラインを狙った意思決定モデルが有効】というのは本を読まないとその意図が分かりかねるんだけど、結局は人間が判断する以上、ロジカルシンキングからの感覚的な腹落ち感と、原理原則の両方からの物事を捉えることがポイントだということなのかなって、本を読む前にわかった気になっています(笑)
最後も本の一節で締めくくります。
これを読むと、もっともっと原理原則から理解し、なければならないのだろうな。
自転車をどれだけ改造して整備しても、 宇宙に出ることは永遠にできません。 どれだけ早くペダルをこいでも、自転車は構造上空に浮くことは絶対にありません。 もし月に行きたいのであれば、まず今乗っている自転車から降りる必要があるのです。
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