自己啓発本が与えてくれたもの

■小学生から高校時代、しっかり読んだのは「リング」くらい?

まず、このブログで本の紹介が多いのと、人前で話すときに本を取り上げることが多いからか、本を読むことが好きな奴だと、俺は思われているみたいです。が、しかし


んな、わきゃない。


コミックはよく買ってましたけど、活字なんて読まなかったなぁ。小学校のとき、夏休み前に推薦図書を購入できる封筒みたいなのが配られると、決まって母親は数冊注文してくれましたけど、それをちゃんと読めたこともない。


唯一最後まで読めた小説はジャパニーズホラーの金字塔といわれた鈴木光司の「リング」(笑)俺が小学生のときに、TVドラマバージョンとして放映された「リング」を見たときの衝撃がすごくて、すぐに小説を買ったのを覚えてる。この後に続く「らせん」「ループ」「バースデー」はすべて読みました。でも、後にも先にもしっかり読んだ本はこれくらいのもんです。




ちなみに、映画を見た人は多いと思いますが、原作の主人公:浅川は本来男性なのに、いろいろな理由から松島奈々子さんが演じてましたよね。このドラマは、一部違えど、原作に非常に忠実な作品で、浅川役を:高橋克典さんが演じていました。95年に放送された特別ドラマで、実はシリーズの中ではファンの中で一番評判が良い作品です。ヌードシーンもあるので、見るときは気をつけて。原作読まず、映画だけしか見てない人はこれを見ましょう。


『リング~事故か!変死か!4つの命を奪う少女の怨念~』(youtubeより)


多少脱線しましたが、要は、それくらい本を読まない、むしろ「本(活字)嫌い」だったわけです。高校の現代文の成績も全教科の中で一番低かったというのも今だから言える話。活字が頭に入ってこない、一時期病気なんじゃないかとマジで悩むくらい、文章の読解が苦手でした。


でも、活字の中で、興味を惹かれるジャンルがありました。それが自己啓発本。




■自己啓発に目覚めたのはジェームズ・アレン

今思えば、愛読書「ぼのぼの」も自己啓発本だと俺は思っていて、一番最初に出合った本であり、見た目にだまされるけど、初めて触れた自己啓発本かもしれません。自己啓発的な本だけはコンスタントに買い続けていたので、ご多聞にもれず自分探しをしてきた一人なわけですが、そんな俺が大学時代に出会ったのがジェームズ・アレン。「自己啓発の祖」とも言える人です。


簡単に紹介すると、1864年生まれで、38歳で執筆活動をはじめ、1912年に他界するまでの9年間という短い執筆キャリアだが、その中でも「AS A MAN THINKETH」はその後、著名となるナポレオン・ヒルや、デール・カーネギー、アール・ナイチンゲールなどに多大な影響を与えたとされる人です。


先に書いた「AS A MAN THINKETH」の日本語訳が『「原因」と「結果」の法則』と呼ばれる本です。もうカバーもボロボロですが、本棚にしっかり入っています。



決してこれを買おうと思って購入したわけではなく、たまたま目に入ったというのが正直なところなんだけど、このタイトル惹かれません?なんか、手に取らないわけには行かないほど、とても説得力があるし、力強い。出版されてから100年経過した本だとも露知らず、手に取りました。ある意味運命的な本の出会いと言えるかもしれません。


ページ数は100ページ満たないくらいの量なので、俺みたいな活字嫌いでも1時間ちょっとで読める。章立てもシンプルで、こんな感じ。

  1. 思いと人格
  2. 思いと環境
  3. 思いと健康
  4. 思いと目標
  5. 思いと成功
  6. ビジョン
  7. 穏やかなる心


そして、冒頭にジェームズ・アレンはこう書いている。

私がこの本を通じて行っていることは説明というよりも提案であり、その目的は、できるだけ多くの人たちが、自らの手で、「自分こそが自分の人生の創り手である」という真実に気づくのを促すことにあります。


世の中のあらゆるものが飽和しだして、その人にとっての幸福度を満たすものが、地位や名誉や金銭以外に「やりがい」や「安心」「自由」など、多様性が生まれてきた現在、「自分が自分の人生の創り手」なんて文章はいたるところで見かけるようになったけど、それらがすべて100年前のジェームズ・アレンの受け売りだと思うと、見方が変わりませんか?




で、ジェームズ・アレンに敬意を示しつつあえて言うならば、誰が言ったかよりも、タイミングよく相手がほしい言葉を刺せるかのほうが重要だということです。ある意味実績も権威もある「真理のような」彼のこの文章ですら、一人歩きして、あたかも自分の言葉のようにいろんな著者に乱用されているし、時にはアレンジされたり、残念ながら誤った解釈で解説されたりする訳ですから。


別にそれを悪く言うつもりはないです。俺も少なからずそうしたいと思っているから。だから、俺は自分の引き出しを増やして、自分や人が求めるときにすぐにそれを取り出せるように、整理しておくことが必要だと思うんです。


これを、古舘伊知郎さんが、報道ステーションを辞めて真先に出演したTBS系の安住アナの番組「ぴったんこカンカン」の中で、「キムチしゃべり」って言ってました。先輩のすごいと思うところをひたすら真似して自分の壷の中に漬け込む。そうすると数年して、それが熟成されて、自分のものとなり、新しい味になるって。古舘さんのアナウンススキルはまさにそうやってユニークなものになったのだそうです。


僭越ながらすごくわかる。そして俺はプラス、この言葉は誰の言葉であるというプチ情報というか、付帯情報もセットで提供するのが好きなので、エピソードに取り巻く情報も一緒に覚えることにこだわるんですけどね。こういう経験が少なからず俺が「話すのうまいですよね」って言っていただける所以かなと思うようになりました。




■自分がつらいときに刺さった三輪明宏さんの言葉

そんな感じで、自己啓発に対しては並々ならぬ思いがあるわけですが、人によっては宗教じみてるように感じるでしょうね。でも、ほんとそう思う。俺は無宗派ですが、でも心のよりどころという存在の必要性も感じています。


誤解を恐れず言えば、おれは宗教を創りたい。同じ価値観を共有し、それに救われる人がいるのであれば、その人たちのための言葉を連ね重ね伝えたいし、なんなら聖典でも創ろうか。宗教って言うと急に厳かになるけど、しっかりしたものじゃなくても良い。月1回集まるような場で良い。要はコミュニティなんだよね。気も張らない、居心地が良い場。俺は自分が媒介するコミュニティに対しては強いこだわりがあるし、それの一つが学生時代につくった「weekender」という場だったとも言える。占いをやると俺に合った職業として必ず教師と宗教家と出るし(笑)


まぁ、そんな大声ではいえない野望も持ちつつ、世の中の真理のような言葉や現象に出会ったときには、それをしっかりと自分の引き出しにしまい熟成させるわけです。




前の仕事をやめたあと、半年ほど無職時代がありました。体調崩したこともあって、一度じっくり休暇をとりたかったし、その間に自分の棚卸しもしたかった。そんなときに入りたい会社の選考を受ける機会があったから必死に取り組んだ時期もあった。(結果落ちちゃったけどね)


その時、俺って必要とされてないのかなって柄にもなく落ち込むことがあって。あんまり落ち込まないんですけど、この時ばかりは人生で一番の挫折というか、「俺何やってんだろう」って塞ぎこんでました。そのときに出会ったのが三輪明宏さんの言葉でした。


人生うまくいかないなと思った時、どう切り換えればいいですか、悪いことしか思い浮かんでこなくなります。

という質問に対して、三輪明宏さんが人生にはバイオリズムがあり、この世は正と負、光と闇、吉と凶、相反する2つのもので構成されていると踏まえたうえで、こう返しました。


だから、悪い時期。
どの扉を叩いても開かないような悪い時期は、外へ向かおうとしてもドアが開かない。ではどうすればいいか?「内に向かえ」そういう指令なのです。 内へ向かうというのは「棚卸しの時期だぞ、バーゲンセールの時期ではないぞ」という事。 だから「品を揃えなさい」。

美・知識・教養・技術、そういうもの全て、自分の財産を増やしなさい。今はそういう時期。 それで、セールの時期が来ると、あれ?っと思うぐらい、色んなところの突破口が開けていくんです。そういう時期に貯めていたものを全てバァーっと出すと、人生が上手く回り出す。

回り出したら、最高まで行かないうちに、二番、三番手で引いておいたほうが無事でいられる。 あっちがダメならこっちがあるさ、こっちがダメならあっちがあるさ。何か突破口はあるんですよ。

この言葉になんか救われたんですよね。

僕が好きな中国の史実で、漢文の教科書にも取り上げられるエピソードに「(人生)塞翁が馬」というのがあるんだけど、これ、ある意味同じことなんですよ。ほかにもきっといろんな話の「あいのこ」みたいな話なんだけど、でもね、現代風に、三輪さん風にアレンジされている。


しかも、「内省」という言葉があるぐらい、自分の中に理由があると省みることがある意味世の中のトレンドの中で、この言葉には「あなたがどうあがいたってどうしようもないことがある」というよい意味での諦めを提供していることが秀逸。


これ、ジェームズ・アレンも

私達がどう策略を用いようとも、その法則を変えることはできない

と言っていて、ある意味救いのない言葉です。でも、じゃあ「何もしてもしょうがない」という帰結をしないのが自己啓発なんです。何をしてもしょうがない今だからこそ、やることがあるだろうと。



これ、

この世の中の真理の一つだと

思うんだよね、おれ。


だから、諦められるし、取り組み続けられる。喜劇王チャップリンもこう言う。

Nothing is permanent in this wicked world – not even our troubles. 
永遠不変のものなど、このイタズラな世の中には何1つとして存在しない。
悲しみでさえ同じだ



そして、今。

三輪さんの言葉を借りれば、僕にとっては扉が開いている時期なんです。ほかの人から見ると大変とか言われるんですけどね。正直不本意というか、そんな風に見られることが嫌でしょうがない。辛いことなんかないんです。今、この瞬間が毎日面白い。


こういう精神性を持つきっかけになったのは、自己啓発本なのではないかなと思うわけです。でも、今はもう進んでは読まなくなりました。その真理を自分で見つけたいし、自分で言葉に紡いでみたいから。だから100人を超えるチームを持って、100の人格と向き合うことはとてもすばらしい機会だと思うんだよね。




とはいえ、そんな僕も、たまに癒しがほしくなります。

家族ももちろんその一つですが、それ以外に最近見つけた癒し。「盆栽」w


僕みたいな凡才には、こういう癒しも必要なんです(笑)


0コメント

  • 1000 / 1000

ぱーそなるえふぇくつ

Personal Effectsとは「私物」のこと。 岩手出身の私“Meloky(メロキィ)”が、気の向くまま・思いつくがままに書き綴るBlog。趣味、家族、仕事、本、食事、音楽について、他にも喜び・憤り・哀しみ・楽しみ・悩みなどの喜怒哀楽や、普段は口にしないような些細な事など、包み隠さず書きなぐるそんな場所。 私のDJ MIX音源もここから聴いていただく事ができますよ。